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シンボルが特定のグループや文化にのみ属することは、ほとんどない。 物事や現象は、誰もが異なる意味を割り当てることができるため、複数のものを象徴することができる。 そのような現象のひとつが虹であり、人類最古の文明から象徴されてきた。
多くの文化、宗教、神話において、虹はさまざまなものを象徴している。 この真っ青な空に広がる色のアーチが、有史以来、人類を魅了してきたのも不思議ではない。
関連項目: マリア:名前の象徴とスピリチュアルな意味人間はいつの時代も、理解できないものには自分なりの意味を付加してきた。 そして、さまざまな色で埋め尽くされた空は、必ず何らかのシンボルになったはずだ。 では、虹のシンボルと意味とは何なのかを見てみよう。
関連項目: ヒーラーの手のシンボル(シャーマンの手)虹は希望、平和、約束、新しい始まり、富、魔法、芸術、文学を象徴する。
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虹の象徴と意味
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虹の象徴は、古代文明の最も古い神話から今日のアブラハム宗教に至るまで使われてきた。 また、文学や芸術にも虹の象徴が顕著に見られる。
人類と虹の魅力
人類は常に虹の美しさに魅了されてきた。だからこそ、多くの文学作品や芸術作品が虹に捧げられている。
何世紀もの間、芸術家たちは虹の本質をとらえようと試み、多くの人が虹には魔法のような性質があると確信してきた。 もちろん、今日では科学のおかげで、虹は単なる目の錯覚であり、物理的に存在するものではないことがわかっている。
水滴に光が当たると虹ができるため、雨の後や滝、霧、波しぶきの周辺に色とりどりの弧が現れる。
虹は半円ではなく、全円であり、高度が高いため飛行機からしか見ることができない。 虹の色とりどりの光線は息をのむほど美しく、多くの文化が虹をシンボルとしていることは否定できない。
嵐の後の光
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虹は多くの人にとって、辛い人生の後のより良い日々への希望を意味する。
虹は闇が去った後に現れると言われるが、実は虹の象徴の多くは、より良い未来や幸運など、希望と何らかの関係がある。 いわば、より良い明日への希望が込められているのだ。
希望は、虹の向こう側にはきっと良い日が待っているに違いないと、最も暗い時期であっても人生を歩み続ける原動力となる。 昨今の希望のシンボルとして、世界的なロックダウンの際、虹は世界中で最も多く見られたシンボルだった。
パンデミックとの戦いの最前線にいた医療従事者への支援として、子供たちが窓に虹の絵を描き始め、それが希望の波を呼び起こした。
平和と社会変革
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20世紀、虹はさまざまな社会運動や変革のシンボルとされた。 60年代は戦争への抗議の時代であり、この10年間に行われた平和的な抗議活動には、平和への願いを表す虹色の旗があふれた。
70年代、ギルバート・ベイカーは、LGBTコミュニティが現在も使用しているレインボーフラッグをデザインした。 彼は、ナチスがこの疎外されたグループに汚名を着せ、抑圧するために使用したピンクの三角形を取り除いた。
そして90年代、デズモンド・ツツ大主教によって南アフリカを表す「虹の国」という言葉が作られ、1994年にはネルソン・マンデラによって統一と和解の象徴として同じ言葉が使われた。
神の約束
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アブラハムの宗教、特にユダヤ教とキリスト教では、虹は神がノアに約束したことを表している。 創世記では、聖書の大洪水の後、虹が空に現れたのは、神が再び世界を氾濫させることはなく、再び人口を増やしても安全であるという神の約束だった。
虹はまた、新しい世界でノアの弧の中にいる人々を待っている新しい繁栄の始まりを表している。
神々への橋
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画像提供:wikipedia.org
古代文化のさまざまな神話では、虹は神々と人間を結ぶ架け橋の象徴とされている。 北欧神話では、ビフロストと呼ばれる燃える虹の橋がミッドガルド(地上)と神々の領域であるアスガルドを結ぶと信じられている。 ビフロストを歩けるのは、神々と戦いで倒れた戦士だけである。
一方、ローマ神話では、虹は使者の神マーキュリーが通る道と考えられていた。 ナバホ族の伝統では、虹は聖なる精霊が通る道とされている。 ギリシャ神話では、虹は女神アイリスが神々の命令を人間の土地に伝えるためにオリンポス山から通った道とされている。
マオリ神話では、ヒナ(月)が天から地上に虹をかけたとされている。 ヒナが虹をかけたのは、死を免れない夫が地上に戻って死ねるようにするためである。
富と魔法
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虹の先には金の壺がある」という話を聞いたことがあるだろう。 これはケルト神話に由来するもので、古代ケルトの金貨は「虹の受け皿」と呼ばれていた。
虹の先にあると言われる金の壺は、アイルランドのレプラコーンの宝物である。 レプラコーンは、緑色の服を着て靴を作る小さな妖精である。 神話によれば、レプラコーンが宝を手放すように説得するには、罠にかけるしかない。
しかし、レプラコーンを捕らえたほうは、レプラコーンがレプラコーンから目をそらすようにだますので注意が必要で、その時点でレプラコーンも宝も消えてしまう。 この話から、多くの人は虹を幸運のしるしと結びつける。
芸術と文学
芸術と文学の世界は、長い間、虹の色に魅了され、その美しさを捉えようとしてきた。 虹は、モネのような19世紀のロマン派や印象派の画家たちの間で特に人気があった。
虹を神の神性の象徴として、また生涯の疑問に答えてきた科学の成果の驚異として用いた詩がある。
理性の時代の詩人たちとロマン派の詩人たちとの間には溝があった。 理性の時代の詩人たちは、ニュートンの発見を賞賛したジェイムズ・トンプソンの『虹』のように、科学を賞賛した。
これに対してロマン派は、芸術の中に科学を取り入れることは自然の驚異を破壊しかねないと考え、ニュートンがプリズムを使った科学的発見によって「虹を織り成す」ことに成功したと主張したのはジョン・キーツだった。
虹と凶兆
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ほとんどの虹のシンボルや意味はポジティブなものを示しているにもかかわらず、虹が悪い前兆である文化もある。
例えば、古代インカの文化では、虹は天空の蛇であると信じられており、彼らは恐怖のために空を見上げることさえしなかった。 虹が現れると、彼らはしばしば手で口を覆った。
虹を大蛇と考えるもう一つの文化はベトナムである。 ベトナム人は虹を「危険な大蛇」と呼び、2匹の大蛇がつながっていることを意味する。 虹は吉兆と見なされる他の多くの文化とは異なり、この2つの文化では悪いことが起こることを意味する。
最後の言葉
虹のシンボルや意味については、さまざまな意見がある。 世界中の文化圏で最も一般的な虹のシンボルは、希望、幸運、富など、主にポジティブなものである。
もちろん、科学の進歩により、虹は目の錯覚にすぎず、水滴に光が反射してできる気象現象であることがわかっている。 それでも、虹を見るのは息をのむほど美しい。